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ウイスキー・リバー

京都はまだじっとりとまとわりつくような。
まったく不快な暑さ、
まあ、それも終わりに近づいてる。
何ごともなかったかのように、
そっと秋がやってくるのか、
貧乏旅から帰ってくるころには秋なのか。

バンドは京都磔磔でワンマンライブを終えて、
間違いなく、何か大切なモノを掴めたと、
平成生まれが1人。
39歳になる俺。
42歳が2人の編成。
ここから腕を上げていくって、
それは、すごくロックなことだと思う。
本気な行為だと思うんだ。
社会では立派なおじさんになった昭和チーム。
でも俺たちはまだまだこれからなんだ。
だけど、悠長なこと言ってられない。

新しい歌ができたから早くスタジオに入ろう。

ワンマンの一週間前、
知人の死、その現場に俺たちは偶然居合わせた。
酔ってライブハウスを出て、何度と夜明けにビールを飲ませてもらった。
その町の終着駅だった。
バンドマンがいくと喜んでくれた。
笑顔で迎えてくれた。

無我夢中だった。
言葉を発する前に全員が動いていた。
完全な死を迎えているように見えなかった。
そう思いたかったのかもしれない、
救急車のサイレンがあんなに心強く感じたことはなかった。

30歳を越えてから、
死について考えるようになった。
旅の途中でひとり深夜バスに揺られている時や、知らない町を歩いている時、
生きている瞬間のその背中合わせに死があることを、
それなりに理解しようと思っていた。

現場で警察の事情聴取を受けている時、
病院に付き添ったメンバーからダメだったと連絡がきた。
全てを終えて新宿へ向かった。
お盆の渋滞にはまり、事故はそこらでおきている。
俺は早くライブを終えて帰りたかった。
正直、怖かったんだ。

翌日の朝方、バンドは無事に京都に帰ってきた。
その翌日、ひとり西成までいき立ち飲み屋に入って酒を飲んだ。
奥のスペースでライブがはじまった。
少しだけ見ようと、
見ず知らずの人の歌を聴きに奥へ入った。
ギターも歌も特別うまくなかった。

「お腹が空いていたら
腹いっぱい食べさせてあげるさ」

涙と鼻水が止まらなかった。
少し恥ずかしかったけど、
こみ上げてくる、仕方なかった。
千円札を一枚置いて夜の西成を歩いた。
自分はいつ、どうやって終わるのだろうと、そんなこと考えて。

生きているから、
倒れても立ち上がるしかない。
もうダメだと思っても歩くしかない。
でも、
それでも立ち上がるその脚や心が限界を越える時だってくるだろう。
その時、自分は自分に何を決断するんだろう。
わからない、
わからないけど、そんなことを考えることがネガティブだとも思えない。

終わり、終わらすことを考る。
いつかくるはずの、
それとも突然訪れるかもしれない、
しかしまだまだ生への欲望が強いんだ。

俺に、俺たちに刻まれた光景。
忘れない。
忘れなくていい、
足元を見れば、美しく生命力に溢れた小さな世界があることを知っている。

こんなこと言ったらアレかな。
でも、
Eさん、ありがとう。

ひとつ謝らなきゃならない、
俺たちに見つけてもらいたくなかったんじゃないかな。
本当は見つけてほしい人がいたんじゃないかな。
でもさ、俺たちはコレでよかったと思ってるんだ。

忘れないから、
いつかそっちにいったら、
ただ飲みしてやるからさ。

それまで、しばらくお別れ、
バイバイ!
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コメント

西成

よかったら教えてください、
西成の立飲み屋ってどこですか?
難波屋ですかね?

Re: 西成

> よかったら教えてください、
> 西成の立飲み屋ってどこですか?
> 難波屋ですかね?

そうです。
難波屋ですね。

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