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世界のどこかにオマエがいる

昔使っていたギターが夢に出てきた。
夢の中で偶然出会った男性が持っていた。
おれは喜びと興奮で、
その男性から半ば強引にそのギターを取り戻した。

カスタムショップ製のギブソンES-355
キースリチャーズがメインで使うようになって作られた。
最初のモデルだったと思う。
友人が働く楽器屋にすぐ見にいった。
一発でキメた。3年くらいのローンを組んだ。
キースモデルの黒く塗られたES-355
おれにとって見た目も音も完璧のギターだった。
ブルースを練習した。
約十年間はこのギターで曲を作ってツアーに出た。
ヴィンテージじゃないけど、
一緒に色んな目にあって、少しずつ傷を増やしてお互いタフになっていった。
いくら弱っても、355は堂々と黒く美しかった。
そして千葉を離れた。
なんとかなると思っていた。
なめていた。
暮らしはそれなりに酷いもんだった。
バイトひとつみつけられず、始発電車で日雇いに出た。
帰り道にワンカップを飲むのが贅沢だった。
仕方なかった。
明日何が食べれるか不安だった。
家賃が払えなかった。
355を吉祥寺の楽器屋に持っていった。
家賃の代わりに売り飛ばした。
おれの魂の一部だと言っていた
そいつを売り飛ばしたんだ。
生きていくためには手離さなゃならないモノがあるんだと
自分に言い聞かせた。
でもやっぱり悔しかった。
いくらかの金が入った。
それで家賃を払ったのか、何に使ったのかもおぼえてない。
それだけだった。
それだけのことだった。
暮らしは一向に変わらなかった。
あまり誰にも言えなかった。

今でも似たギターを見ると身勝手なことをした自分と悔しさで胸のあたりがつまるんだ。
ギターを強引に取り戻して夢だということに気がついた。
アニミズムっていうのか。
万物に霊魂が宿ってるっていう。
ギターの精霊がおれに何か伝えてくれたんじゃないのかと、
そう思うことにしてる。
この世界のどこかでおれを待っていてくれてるんじゃないかって、
おれのことを想ってくれてるんじゃないかって、

今さら気づいたよ。
オマエがいればおれは完璧なんだ。
いつかまた出逢えたら
絶対に手離さない
その時は、死ぬまで一緒にいよう。

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コメント

No title

大好きだった特別な存在を手放した後
酷い喪失感に襲われるけど
実は万物に魂が存在してて
想えばいつでも交感しあえるし
そいつのスピリッツは
自分の中に宿り続け、影響し続ける、
そう私も実感してます。

だから 今のユダくんと現相棒335の後ろに立ち
支え続ける355の意思を感じたいです。
355スピリッツ、ライブで聴かせてください!

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