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街路樹

葬儀場を出て歩いていたら、自然と水島さんと二人になった。鴨川を渡って五条から木屋町を北に歩いた。悲しいという気持ちは正直これっぽっちもなくああ、これからマスターは焼き場に運ばれて壺の中か、霊柩車を見送りながらそんな風にぼんやりしていた。行きつけの呑み屋でマスターと水島さん、二人の雑で乱暴で、しみじみとしたやり取りを肴に酒を飲んでいるとき、この町で暮らしている自分ってのを、少し好きになれたりしたのか...

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